普及版 字通 「擾(漢字)」の読み・字形・画数・意味
擾
18画
(異体字)
21画
[字訓] みだれる
[説文解字]
[金文]
[字形] 形声
正字はに作り、(どう)声。擾は俗字。〔説文〕十二上に「煩なり」とあって、煩乱をいう。は手足をあげて舞い躍る形。酒を飲んで乱れさわぐことを(どう)という。憂は喪に服する人の形であるから、声義ともに異なる字である。
[訓義]
1. みだれる、みだす。
2. わずらわす、わずらう。
3. したがう、ならす、なれる。
4. やすんずる、やすらか、やわらか。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕擾 ミダル・ワヅラフ・ワヅラハシ・ナヤマス・アソブ・カキコナス・イソグ・ホル・ホレタリ・ナヅク・シタガフ・オブル・コナス・イタク・カク・チラス
[熟語]
擾怨▶・擾化▶・擾害▶・擾畜▶・擾狎▶・擾索▶・擾雑▶・擾柔▶・擾順▶・擾馴▶・擾攘▶・擾擾▶・擾綏▶・擾世▶・擾奪▶・擾▶・擾動▶・擾反▶・擾煩▶・擾紊▶・擾服▶・擾▶・擾弊▶・擾民▶・擾乱▶・擾累▶
[下接語]
雲擾・擾・驚擾・群擾・喧擾・誼擾・攻擾・荒擾・耗擾・寇擾・惶擾・攪擾・忽擾・雑擾・柔擾・馴擾・撓擾・侵擾・震擾・沮擾・擾・騒擾・躁擾・煩擾・紛擾・奔擾・憂擾・竜擾・労擾
21画
(異体字)擾
18画
[字訓] みだれる・ほえる
[説文解字]
[字形] 形声
声符は(どう)。を〔説文〕五下に「貪獸なり。一に曰く、母猴なり」とし、十上には「(だうかう)なり」、次条に「は犬して吠(がいばい)するなり」とあって、犬が吠えたてることをいうとする。は母猴の象ではなく、舞容の象、はその声義を承ける字である。獣が狂うようにさわぎ、ほえたてる意の字と思われる。字はまた擾に作る。銀雀山漢墓出土の竹簡〔孫子兵法、行軍〕に「軍(擾)(みだ)るるは、將重からざればなり」とみえる。
[訓義]
1. みだれる、さわぐ、おどろく。
2. ほえる、ほえたてる。
3. ぬぐう、ぬる。
[古辞書の訓]
〔名義抄〕・ マタ
[語系]
・nuは同声。憂iuは声近く、・をまた・擾に作ることがある。憂は服喪の人の象で、悲しんで擾れる意がある。柔njiuも声義に関係のある語である。
[熟語]
雑▶・人▶
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報