擡頭(読み)たいとう

世界大百科事典 第2版 「擡頭」の意味・わかりやすい解説

たいとう【擡頭】

文章中において,高貴な人の称号・行為に関する語に対して,敬意を表すためにとる記述形式の一つで,敬意を表すべき語で改行すると同時に,他の行よりも1~2字ほど高いところから書き出す方法である。このような記述形式には,擡頭のほか,その語の上を1字ないし数字分空ける闕字(けつじ),その語が行の途中に出たらその語を行の最上にするため改行する平出(へいしゆつ)がある。闕字,平出は,律令国家公文書様式等を制した公式令にも定められ,古代中世近世を通じて公私文書・記録類に使用された。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

普及版 字通 「擡頭」の読み・字形・画数・意味

【擡頭】たいとう

擡写。〔経解入門、科場解経程式〕經解は策と同じからず。體皆擡頭無し。其の擡頭するは、乃ち纂・欽定等の書を引くときのみ。然れども此の書を引くに、且つ須(すべか)らく三擡すべし。

字通「擡」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

線状降水帯

線状に延びる降水帯。積乱雲が次々と発生し、強雨をもたらす。規模は、幅20~50キロメートル、長さ50~300キロメートルに及ぶ。台風に伴って発達した積乱雲が螺旋らせん状に分布する、アウターバンドが線状...

線状降水帯の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android