はねか・す【撥】
〘他サ五(四)〙 泥、水などをとばし散らす。はねるようにする。はねとばす。
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西洋道中膝栗毛(1874‐76)〈総生寛〉一三「アレ唾を人にはねかしてサ」
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デジタル大辞泉
「撥」の意味・読み・例文・類語
ばち【×撥/×桴/×枹】
1 (撥)琵琶・三味線などの弦をはじいて鳴らす、へら状の道具。琵琶の撥は多く黄楊製、三味線の撥は象牙、水牛の角などで作り、形は流派や使用目的により異なる。
2 (桴・枹)太鼓・銅鑼などの打楽器類を打ち鳴らす棒状の道具。舞楽の舞具として用いることもある。
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撥
ばち
日本の楽器の付属品名。撥弦楽器の弦を鳴らす道具で,手に握って用いるもの。打楽器の打棒も同じく「ばち」というが,「桴」の字をあてて区別する。また洋楽器ではプレクトラムと総称するのに対して,日本では指にはめたり,指先で持つ小型の義甲を「爪」として区別する。撥は主として琵琶と三味線に用いる。琵琶の撥の材質はおもにツゲで,一般に薄く先端が大きく開いていて,握りの部分が細く,握りの根もとがほぼ直角に開きとがっているが,琵琶の種類,流派によって形状,大きさなどに異同がある。三味線の撥は,琵琶からの進化で,材質もツゲのほか,カシ,象牙,鼈甲,水牛の角,プラスチックなどがあるが,全部が同材質でなく,先端にだけ良質のものを用いたりもする。形状はだいたい一致し,撥先は大きく開いて薄く,才尻 (根もと) に向って次第に細く厚くなり,最後は角棒状となるが,やはり三味線の種類や流派により大小,軽重に差があり,重くするために才尻に鉛を入れたものもある。義太夫節用が最も重く,地歌では撥先直前まで厚く,撥先に向って急に段がついて薄くなっているような津山撥,九州撥なども工夫されている。新内節の高音 (たかね。上調子) 用には極端に小型の小撥を使用する。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報