撚糸（読み）ねんし

精選版 日本国語大辞典

ねん‐し【撚糸】

〘名〙 糸を一本または二本以上引きそろえて撚(よ)りをかけること。また、撚られた糸。一本撚り、片撚り、諸(もろ)撚り、壁撚り、飾撚りなどがある。

※女工哀史（1925）〈細井和喜蔵〉二「撚糸になってから後段の工程」

出典　精選版 日本国語大辞典

デジタル大辞泉

ねん‐し【^×撚糸】

糸を1本または2本以上そろえて撚よりをかけること。また、その糸。

出典　小学館

百科事典マイペディア

撚糸【よりいと】

糸は撚りを加えると強度・弾性を増し，太さが平均されるなど，性能が向上するため，ほとんどが加撚(かねん)される。撚りの方向は左（Z）撚り，右（S）撚りの２種。撚り回数の多少で甘(あま)撚り，強(こわ)撚りに分け，単糸に加撚したものを片撚糸，２本以上撚り合わせたものを諸(もろ)撚糸という。

出典　株式会社平凡社

改訂新版　世界大百科事典

撚糸 (ねんし)

→紡績

出典　株式会社平凡社「改訂新版　世界大百科事典」

普及版 字通

【撚糸】ねんし

より糸。

字通「撚」の項目を見る。

出典　平凡社「普及版 字通」

世界大百科事典（旧版）内の撚糸の言及

【織物】より

…さらにインドのモヘンジョ･ダロ遺跡や南アメリカのペルー北部のワカ･プリエッタ遺跡で発見された綿布の断片は，ともに紀元前3000‐前2500年ころとされている。中国では1958年に浙江省呉興銭山漾の新石器時代遺跡第4層内の竹筐（ちくきよう）の中から，平織の小裂（こぎれ）や撚糸，組帯が発見されている。その素材は家蚕の絹糸とされているが，この地層から併出した稲もみの放射性炭素による時代判定では紀元前2750±100年となっており，この時点で中国では養蚕がなされ，絹織物を製織していたことになる。…

【紡績】より

…加撚方法の異なる各種の方法があり，次のように分類される。(a)実撚法　リング，フライヤー，ポット，ミュール，オープンエンド(ローター式，吸着フリクション式その他)，(b)仮撚法　結束法，交互撚糸法，(c)無撚法　糊着（こちやく）法，融着法，インターレース。　リング精紡機では木管をスピンドル(錘)にさし込み，スピンドルの回転によって加撚，巻取りを行うが(図2)，糸の生産量はほぼこのスピンドルの数(錘数)によって決まるので，紡績工場の規模はこのスピンドルの数(錘数)で表す。…

【織物】より

…さらにインドのモヘンジョ･ダロ遺跡や南アメリカのペルー北部のワカ･プリエッタ遺跡で発見された綿布の断片は，ともに紀元前3000‐前2500年ころとされている。中国では1958年に浙江省呉興銭山漾の新石器時代遺跡第4層内の竹筐（ちくきよう）の中から，平織の小裂（こぎれ）や撚糸，組帯が発見されている。その素材は家蚕の絹糸とされているが，この地層から併出した稲もみの放射性炭素による時代判定では紀元前2750±100年となっており，この時点で中国では養蚕がなされ，絹織物を製織していたことになる。…

※「撚糸」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典｜株式会社平凡社「世界大百科事典（旧版）」