撒餌(読み)まきえ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「撒餌」の意味・わかりやすい解説

撒餌
まきえ

一定の水域に魚群を集め、集まった魚群を滞留させる手段として撒く餌(えさ)。コマシ、コマセ、カブシなどともいう。カツオ一本釣りに使用する生きイワシ、サバハネ釣りやムロアジ棒受網では友餌(ともえ)(同じ魚の身)のミンチ(細片肉)が用いられるが、天秤(びん)を用いるアジ、サバ、イサキなどの釣りでは、餌籠(えかご)(袋)に塩漬けの冷凍のアミ類やイワシ、サンマのミンチを入れて魚を集める。淡水魚のコイフナでは、米糠(こめぬか)、小麦粉、うどん粉、マッシュ(じゃがいも粉)、蛹(さなぎ)などを適宜配合した練り餌などが寄せの効果がある。しかし、遊漁者の急増とともに、撒餌の使用量が増加して内湾の海底に沈積し、その腐敗が水質汚染の原因の一つとして問題になっている。

[吉原喜好]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android