出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
二つの物体を摩擦すると、正負の電気をもつようになる現象をいう。冬に毛のセーターなどを脱ぐとき、パチパチ音がしたり、衣類が張り付いたりするのは、摩擦電気による放電や正負の電気の間の引力によるものである。摩擦電気は容易に放電をおこすほどの電位を生じさせるが、その電気量はきわめてわずかなので、ちょっとした湿気などでも電気は逃げてしまい、前記の例は、乾燥した冬だけに経験できるものである。摩擦電気の存在は古代よりよく知られており、摩擦によって容易に軽い物体を引き付けられるこはくのギリシア語elektonが、電気を表すエレクトロン、エレクトロニクスなどの語源になっている。
[山口重雄]
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…また,異なる誘電体をこすり合わせると,一方は正,他方は負の電荷を帯びるようになる。前述のコハクの電気もこの例で,これを摩擦電気という。これは一方の原子のもつ電子が他方へ移ることによって生じ,ある物質と他の物質を摩擦したとき,電子がどちらかへ移りやすいかを表したものを帯電列と呼んでいる。…
※「摩擦電気」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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