摂社・末社(読み)せっしゃまっしゃ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「摂社・末社」の意味・わかりやすい解説

摂社・末社
せっしゃまっしゃ

神社に付属し、本社の祭神あるいは由緒上の縁故によって所管されている社(やしろ)。境内と境外にあるものに分かれる(境内摂末社・境外摂末社)。伊勢(いせ)神宮では古来、その基準を官社であるか否かに置いていた。その他の神社では中世以来、八幡(はちまん)・稲荷(いなり)・祇園(ぎおん)天王などの流行神を勧請(かんじょう)して摂末社とした例が多かったが、区分は定まっていなかった。明治以後、官国幣社では、祭神の后(きさき)神・御子(みこ)神・荒魂(あらみたま)、本社の地主神、旧跡地の神社などを摂社として上位に置き、その他を末社とした。府県社以下では境内社・境外社と称した。社格の廃された現在でも慣行的に摂社・末社を用いるが、法人上は境内社として同様に扱われる。

[牟禮 仁]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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