摂政時代(読み)せっしょうじだい(英語表記)Régence フランス語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「摂政時代」の意味・わかりやすい解説

摂政時代
せっしょうじだい
Régence フランス語

一般には、摂政régent(フランス語)が治めている時期をさすが、とくにフランス史上、18世紀初期、ルイ15世幼少期(1715~23)のオルレアン公フィリップの摂政統治時代をさす。先代ルイ14世時代の反動とスペイン継承戦争後の解放感のなかで、サン・シモンなど不満をもつ旧貴族や高等法院官僚が復権し、七つの国務会議(外務陸軍海軍財政宗教内務商務)を執行機関とする多元会議制(ポリシノディpolysynodie)を運営した。その結果は、緩慢な政局運営が続き、有効な政策を欠き政府の無能が証明されて、この貴族中心の政治体制は失敗した。また、1720年、財政総監ジョン・ローの行った財政改革も理論どおりには進まず、経済の大混乱を生じた。

[千葉治男]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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