握手(読み)あくしゅ

精選版 日本国語大辞典 「握手」の意味・読み・例文・類語

あく‐しゅ【握手】

〘名〙
① 互いに手と手を握り合うこと。挨拶として行なう場合や、親愛の情を示すのに行なう場合が多い。
※随筆・文会雑記(1782)附録「丙寅の春東帰するとて来りたり。握手して鎮西の事を談ずるに、さまざまの事をきく」 〔後漢書‐李通伝〕
② (比喩的に用いて) 仲直りすること。また、仲良くし、協力すること。
※それから(1909)〈夏目漱石〉一五「再び半身埒外に挺(ぬきん)でて、余人と握手するのは既に遅かった」

にぎり‐て【握手】

〘名〙 極めてけちな人。
当世商人気質(1886)〈饗庭篁村〉二「握(ニギ)り人(テ)評判取りし千太郎が俄かに手を拡げての廓通ひ」

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デジタル大辞泉 「握手」の意味・読み・例文・類語

あく‐しゅ【握手】

[名](スル)
互いに手を握り合うこと。あいさつや、親愛の情、喜びの表現として行う。「初対面握手を交わす」
仲直りをすること。また、協力すること。「新薬開発のため両社握手する」
[類語]敬礼一礼答礼御辞儀一揖会釈黙礼目礼最敬礼叩頭叩首低頭拝礼

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改訂新版 世界大百科事典 「握手」の意味・わかりやすい解説

握手 (あくしゅ)

出会い,別れに際しての挨拶の基本的動作。相手に武器を持っていないことを示す信頼のあかしとして広く西欧文化圏で一般化をみた。〈手を取りあう〉〈手を握る〉〈手を切る〉などという表現が人間関係の絆(きずな)を表しているように,握手は結合のサインとなる。握手は初対面のときやそれほど親しくない間柄のばあい,互いに軽く会釈して交わす儀礼的行為となるが,強い感情を表現する場合には他の動作が伴う。相手を認めたとき,笑顔やまゆ毛をつり上げるといった表情で表したり,片手をあげたり,手振りでもって歓迎の意を表して接近する。握手はふつう右手で行われる。両手をさしだして左手を相手の手の甲に添えたり,右腕や肩に触れあるいは抱く形をとって歓迎・親愛の情を示す。これ以上親しい間柄では握手は省略される。握手は相手との間に一定の距離を保ちつつ,かつ身体的に接触する結合サインとしての最大限の,形式的・儀礼的な挨拶の表現動作である。
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普及版 字通 「握手」の読み・字形・画数・意味

【握手】あくしゆ

手を握って親しむ。漢・武〔詩四首、三〕手を握りて一たび長す 生別の爲に(しげ)し

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