提撕(読み)ていせい

精選版 日本国語大辞典 「提撕」の意味・読み・例文・類語

てい‐せい【提撕】

〘名〙
① ひっさげること。ひきつれること。
② (「ていぜい」とも) 仏語。師が弟子を親切に教え指導すること。特に禅宗で、公案古人語録などを評釈して導くこと。また、つねに工夫して開悟に努めること。
※三教指帰(797頃)下「今僅蒙提撕。身心安敞」 〔無門関
③ 転じて一般に、後進を教え導くこと。指導すること。また、教訓
※菅家文草(900頃)一・賦得詠青「明経如芥 廻眼好提撕
毎月抄(1219)「もしわれにこえて物をもたかく案じ、すぐれたる姿を天骨とよむ人あらんに、かやうに提撕せばなにかよろしく侍るべき」 〔顔氏家訓‐序致〕
④ ふるいおこすこと。さかんにすること。
※美術真説(1882)〈フェノロサ〉「公衆を誘導し、輿論を提撕し、画家巧拙を明にし」 〔韓愈‐南内朝賀帰呈同官詩〕

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デジタル大辞泉 「提撕」の意味・読み・例文・類語

てい‐せい【提×撕】

[名](スル)
《「ていぜい」とも》師が弟子を奮起させ導くこと。特に禅宗で、師が語録や公案などを講義して導くこと。
後進を教え導くこと。
奮い起こすこと。盛んにすること。
「実行上に、新しい道徳を―し」〈花袋・描写論〉

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普及版 字通 「提撕」の読み・字形・画数・意味

【提撕】ていせい

教え導く。〔顔氏家訓、序致〕吾(われ)今復(ま)た此れを爲す以(ゆゑん)のは、敢て物を軌(ただ)し、世に範とするに非ず。業(た)だ以て門を整齊し、子孫に提撕するのみ。

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