描・画(読み)えがく

精選版 日本国語大辞典 「描・画」の意味・読み・例文・類語

え‐が・く ヱ‥【描・画】

〘他カ五(四)〙 (「絵を書く」「絵に書く」の意。古くは「えかく」と清音連語か)
① 物の形を絵や図の形にかき表わす。絵や図をかく。
書紀(720)推古一一年一一月(岩崎本訓)「皇太子、天皇に請(まう)したまひて大楯と靫〈靫、此をば由岐と云ふ〉とを作り、又旗幟(はた)に絵(ヱカク)
源氏(1001‐14頃)紅葉賀「かはほりのえならずゑかきたるをさし隠して」
② 物事の有様を文章、音楽などで表現する。写し出す。描写する。
※小説神髄(1885‐86)〈坪内逍遙〉上「彼の人間の情欲ほど描(ヱガ)きがたかるものはあらじ」
③ 想像によって心の中に思い浮かべる。
※帰去来(1901)〈国木田独歩〉一七「種々の空想を描(ヱガ)いて滊車の窓に倚(よ)ったのが」
④ 物が動いて、その通った跡がある形をなす。
幻影の盾(1905)〈夏目漱石〉「火の粉は烟諸共風に捲かれて大空に舞ひ上る。城を蔽ふ天の一部が櫓を中心として大なる赤き円を描いて」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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