掴立(読み)つかみたつ

精選版 日本国語大辞典 「掴立」の意味・読み・例文・類語

つかみ‐た・つ【掴立】

[1] 〘他タ下二〙 手でつかんで引き立てる。後ろから首すじなどをつかんで立たせる。多く、えたいの知れないものが、つかみ立たせるようだの意で、ぞっとするような恐怖や寒さ、心の動揺などを表わす。
※虎寛本狂言・瓜盗人(室町末‐近世初)「今夜は何とやらうしろからつかみ立らるる様に、しきりにおそろしい心が出たが」
※俳諧・崑山集(1651)一三「つかみ立る寒さや鷲の山おろし〈夕翁〉」
[2] 〘他タ四〙 (一)に同じ。
譬喩尽(1786)三「(ツカ)み立(タツ)やうに寒し」

つかまり‐だち【掴立】

〘名〙
幼児が、物につかまってやっと立つこと。
※黴(1911)〈徳田秋声〉七一「その窓際では、次の子が漸(やっ)と掴り立をする頃であった」
② すべったり落ちたりしないように、物につかまって立つこと。
廬山(1971)〈秦恒平〉「真黒な岩につかまり立ちしてよじ登って行った」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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