按針(読み)あんじん

精選版 日本国語大辞典 「按針」の意味・読み・例文・類語

あん‐じん【按針】

[1] 〘名〙 (「あんじ」とも) 中世末期頃から日本に渡来した中国船・西洋船航海士磁針を見、天体を測定して船の航海をつかさどった者。行師(あんじ)。按針役。按針者。近世初期に来航したポルトガル船のピロウト(piloto)を訳したもので、別にそのままピロウトとも呼ばれたが、水夫ではなく航海長に当たる。
通航一覧(1853)一八三「黒船之下江我船を乗入、則黒船へ乗移、アンジンを打取」
[2] ⇒アダムズ(四)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「按針」の意味・読み・例文・類語

あん‐じん【×按針】

磁石によって船の航路を決めること。また、その人。水先案内。按針手。
[補説]水先案内の意の「あんじ(行師)」の変化したものか。
三浦按針みうらあんじん

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