指呼(読み)しこ

精選版 日本国語大辞典 「指呼」の意味・読み・例文・類語

し‐こ【指呼】

〘名〙
① (━する) 指さして呼ぶこと。呼びよせて使うこと。
明徳記(1392‐93頃か)中「あたりを払へる有様は高祖の韓信彭越両将の機をつかさどて、百万の兵を指呼に随へしに異ならず」
※奇想凡想(1920)〈宮武外骨我輩が公に有する財産「幾十万巻の蔵書は指呼(シコ)の儘に我机上の物と成る」 〔劉子翬‐劉兼道猟詩〕
② 呼べば声が届いて答えられるほどの近い距離。指顧
浄瑠璃・浦島年代記(1722)一「三万里の蓬莱、指呼(シコ)の中」
生活探求(1937‐38)〈島木健作〉二「平野をはさんで指呼の間に、〈略〉杉野の家が見える」

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デジタル大辞泉 「指呼」の意味・読み・例文・類語

し‐こ【指呼】

[名](スル)
指さして呼ぶこと。指さしてそれと言うこと。「指呼していわく」
呼べば答えるほどの近い距離。「道を隔てて指呼かんにある」
[類語]手近い程近い近い間近い間近じきすぐ至近近く目前鼻先手が届く咫尺しせき目睫もくしょうかん目と鼻の先身近手近卑近身辺そばかたわわき片方かたえ手もと付近近辺近傍近所最寄りもと足元座右左右手回り身の回り・ついそこ・まのあたり目睫もくしょう面前目の前眼前現前目先鼻面はなづら鼻っつら前面正面真ん前手前先方直前

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普及版 字通 「指呼」の読み・字形・画数・意味

【指呼】しこ

指さして呼ぶ。〔宋史注伝〕宗(交人)攻取の策を問ふ。對へて曰く、昔(むかし)~溪洞の兵、一もて十に當るべし。甲堅利、親信の人、皆指呼してふべし。今は兩(ふたつ)ながら昔に如(し)かず。

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