拝啓(読み)はいけい

精選版 日本国語大辞典 「拝啓」の意味・読み・例文・類語

はい‐けい【拝啓】

〘名〙 謹んで申し上げるという意。現在は書状冒頭に記す語であるが、結語としても用いられた。謹啓
※恩田頼母宛佐久間象山書簡‐嘉永二年(1849)一一月一〇日「拝啓仕候此表只今も雪も無之暖気に御座候
※開化日用文證大成(1875)〈原田道義〉五六「猶一両日中致参敲牀下伺候可仕候 拝啓(ハイケイ)(〈注〉ハイシテマウス)」
[語誌](1)現在ではこれのみで頭語として用いられているが、古くは挙例にあるように「拝啓仕候」という形や、「寸楮拝啓(すんちょはいけい)」などと複合した形で用いられることが多かった。
(2)挙例の「開化日用文證大成」のように結語としても用いられていたが、明治中期頃には、頭語として定着したものと思われる。

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デジタル大辞泉 「拝啓」の意味・読み・例文・類語

はい‐けい【拝啓】

《つつしんで申し上げます、の意》手紙初めに書くあいさつの語。文末はふつう「敬具」で結ぶ。謹啓。
[類語]謹啓拝復前略啓上冠省

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普及版 字通 「拝啓」の読み・字形・画数・意味

【拝啓】はいけい

謹啓。

字通「拝」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の拝啓の言及

【啓】より

…六国史などにみられるが,内容的には書式のととのったものではなく,比較的早くに用いられなくなったと思われる。これとは別に,奈良時代から個人の上申文書に〈啓〉の語を入れたものがあり,それが私文書の源流として現在に〈拝啓〉〈一筆啓上〉のような書簡用語を残したともいわれる。【飯倉 晴武】。…

※「拝啓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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