拍板(読み)はくはん

精選版 日本国語大辞典 「拍板」の意味・読み・例文・類語

はく‐はん【拍板】

〘名〙 田楽などで用いられる木製打楽器の一つ。十数枚の小板を重ねて、その一端を紐で編み、両手で打ち合わせて拍子を取るもの。板(はん)。〔二十巻本和名抄(934頃)〕 〔楽府雑録‐拍板〕

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デジタル大辞泉 「拍板」の意味・読み・例文・類語

はく‐はん【拍板】

中国清楽しんがくの打楽器。3枚の細長い小さな板を、端にひもを通してゆるく結び合わせ、板の間に指を入れて振って鳴らす。明楽みんがくでは檀板たんばんという。はん

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普及版 字通 「拍板」の読み・字形・画数・意味

【拍板】はくばん

びんざさら平な板数枚の一端を編じ、その一片うちならす。〔事物紀原、楽舞声歌、拍板〕晉・魏の世、宋り、善(よ)くつ。然れども板を以て之れを拍ち、に代ふ。是れ則ち拍板の始めなり。

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百科事典マイペディア 「拍板」の意味・わかりやすい解説

拍板【はくばん】

中国の木製の相互打奏体鳴楽器。中国語ではパイバン。バン板とも。劇音楽や器楽合奏に広く用いられる。今日のものは3枚の長方形木片からなり,そのうちの2枚を結びつけて1片とし,2片をつなぐ紐を親指にかけ薄い1片を手で持ち,厚い1片を振って両片下端を打ち合わせる。劇音楽では,一人の奏者が左手で拍板を,右手板鼓(ばんこ)(中国語ではバングー)を打つことが多い。

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世界大百科事典(旧版)内の拍板の言及

【板】より

…また,中国では拍子を意味する楽語としても用いられる。 (1)はおもに中国,朝鮮にみられる打楽器で,拍板,拍ともいう。中国では唐代の散楽(雑技)に横笛,腰鼓(ようこ)とともに用いられ,8世紀以後宮廷や民間の宴饗楽に用いられるようになった。…

※「拍板」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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