担・荷(読み)になう

精選版 日本国語大辞典 「担・荷」の意味・読み・例文・類語

に‐な・う ‥なふ【担・荷】

〘他ワ五(ハ四)〙 (「なう」は接尾語)
① 物を肩にかけて運ぶ。天秤(てんびん)棒などを用いる場合にもいう。かつぐ。かたげる。
万葉(8C後)一八・四〇八三「常の恋いまだ止まぬに都より馬に恋ひ来ば爾奈比(ニナヒ)あへむかも」
② 自分の責任として引き受ける。負担する。身に負う。
書紀(720)欽明二年七月(寛文版訓)「人の後(つき)を為す者は能く先軌(おやのあと)負荷(ニナヒ)
③ ある評価や意味を与えられる。負わされる。
路上(1919)〈芥川龍之介一二近藤は〈略〉『城』同人の中では第一の絵画通と云ふ評判を荷(ニナ)ってゐた」

にない になひ【担・荷】

〘名〙
① になうこと。肩にかけてささえること。かつぐこと。
平中(965頃)二「誰により樵るなげきをかうちつけにになひも知らぬ我に負ほする」
② 「にないおけ(担桶)」の略。
御伽草子・猿の草子(室町末)「やがて京、さかい町屋へあつらへける道具には、にない、長もち」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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