抵抗係数(読み)テイコウケイスウ

化学辞典 第2版 「抵抗係数」の解説

抵抗係数
テイコウケイスウ
drag coefficient, friction factor, coefficient of resistance

流れのなかに置かれた物体の受ける抗力(抵抗)が,流れの速度uに対応する動圧ρ u2/2gc と,流れの方向に垂直な面への物体の投影面積との積に比例するとしたときの比例定数.すなわち,

抗力 = CD × (面積)(ρ u2/2gc)

である.ここで,CD は抵抗係数,ρは流体の密度,gc は重力換算係数を表す.この抵抗係数は,一般にレイノルズ数Re関数となり,物体が球状のとき,流れが層流ならば

CD = 24/Re
となる.一方,乱流域で CD はほぼ0.44の一定値をとる.また,管や充填層などのなかを流れる圧力損失(物体の受ける抗力は流体のエネルギーに等しい)に対しては,摩擦係数 fF(friction factor)が用いられているが,これを抵抗係数という場合もある.管継手や断面積が急激に変化する部分を流体が流れるとき,その圧力損失Δpとその部分の動圧比を,一般に,

と表した場合の損失係数(coefficient of resistance)Kをさす場合もある.

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

世界大百科事典(旧版)内の抵抗係数の言及

【抵抗】より

…流れの中におかれた物体では流れの方向に働く。抵抗をD,液体の密度をρ,流体と物体の相対速度をU,物体の断面積,あるいは代表長さの自乗に相当する量をSとしたとき,CDD/(1/2ρU2S)で定義される無次元数CDを抵抗係数と呼ぶ。また流体が物体面に及ぼす応力のうち,面に垂直な圧力の合力によるものを圧力抵抗(物体の形状により著しく異なるので形状抵抗ともいう),接線方向に働く摩擦力によるものを摩擦抵抗と呼ぶ。…

【翼】より

Sは翼面積(m2),qは空気の動圧つまり飛行速度での正面面積1m2当りの風圧で,飛行速度をv(m/s),空気の密度をρ(kgs2/m4)として,q=ρv2/2である。CLを揚力係数lift coefficient,CDを抗力係数drag coefficient(または抵抗係数)といい,その値は翼の形や迎え角で変わる。迎え角αを横軸にグラフをかくと,揚力係数CLは零揚力角α0Lから失速が始まるまで,ほぼαに比例して直線的に増す(図2-a)。…

※「抵抗係数」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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