抱合(読み)ホウゴウ(英語表記)conjugation

翻訳|conjugation

デジタル大辞泉 「抱合」の意味・読み・例文・類語

ほう‐ごう〔ハウガフ〕【抱合】

[名](スル)
だきあうこと。
生体内の有害物質が、肝臓などで、グリシンなどと結合して無毒化されること。
化合かごう」に同じ。
[類語]抱く抱えるいだ抱きかかえる抱きしめる抱き合う抱き付く抱きすくめる抱き上げる抱き起こす抱き下ろす抱き寄せる抱き取る抱き留める抱き込む抱え込む抱っこ抱擁

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精選版 日本国語大辞典 「抱合」の意味・読み・例文・類語

ほう‐ごう ハウガフ【抱合】

〘名〙
① だきあうこと。だきあわせること。〔生物学語彙(1884)〕
毒物薬物などに他の物質が生体内で結合すること。解毒作用の一機構。主として肝臓で行なわれる。
※新しい医学への道(1964)〈高橋晄正〉六「毒物を抱合し、解毒する働きは」
※遠西医方名物考補遺(1834)八「炭酸炭素酸素抱合して成る無形元素なり」

だき‐あわせ ‥あはせ【抱合】

〘名〙
① 抱き合わせること。抱き合うようにすること。
② よい物とわるい物とを組み合わせること。売れ行きの良い品と悪い品とを、組み合わせて売ること。また、そのもの。
※夷斎俚言(1951‐52)〈石川淳〉歌ふ明日のために「この上に別口荒神様(くゎうじんさま)を抱合せにされてはかなはねえ」

だき‐あわ・せる ‥あはせる【抱合】

〘他サ下一〙 だきあは・す 〘他サ下二〙
① 互いに抱き合うようにする。両手をのばしてかかえる。
※玉塵抄(1563)一「両の手でだきあわすることぞ」
② よい物とわるい物とを組み合わせる。客のほしがる品にあまり売れ行きのよくない品を組み合わせて売りつける。

だき‐あ・う ‥あふ【抱合】

〘自ワ五(ハ四)〙 互いに抱く。互いにかかえる。いだきあう。〔運歩色葉(1548)〕
行人(1912‐13)〈夏目漱石塵労「山と山が抱合(ダキア)ってゐる隙間から」

だき‐あい ‥あひ【抱合】

〘名〙 互いに抱きあうこと。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「抱合」の意味・わかりやすい解説

抱合
ほうごう
conjugation

油溶性成分,毒物,薬物などの解毒排泄機構に利用される反応。水酸基には硫酸グルクロン酸カルボキシル基には,グリシン,グルタミンおよびグルクロン酸,アミノ基に対してはアセチル基およびグルクロン酸が結合し,水溶性になる。男性ホルモンは硫酸抱合体,女性ホルモンおよび副腎皮質ホルモンはグルクロン酸抱合体となって尿中に排泄される。それぞれ転移酵素によって結合される。抱合の場所は肝臓が主であるが,腎臓でもわずかながら行われる。

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栄養・生化学辞典 「抱合」の解説

抱合

 水に溶けにくい物質を生体が体外へ排出する場合,別の化合物と結合させて水溶性にするという反応を生体は行う.この処理法.

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