折半小作(読み)せっぱんこさく

改訂新版 世界大百科事典 「折半小作」の意味・わかりやすい解説

折半小作 (せっぱんこさく)

小作制度一種で,地主小作農民とが収穫物を半々に分け合うところからこの名が生じた。小作制度においては,地主が小作農民から小作料徴収するが,その徴収の仕方を大別すれば,一定額の貨幣または一定量の生産物を徴収する定額小作と,収穫物の一定の割合を徴収する分益小作とに区分され,分益小作のうちで,収穫物の半分を地主が徴収する場合をとくに折半小作という。折半小作が行われるのは,小作農民が貧しくて小作料支払能力が不安定である場合が多く,地主は,あらかじめ小作農民に必要な種子の半分や家畜の半分を貸し付け,収穫後に,生産された農産物(家畜の増加分を含む)の半分を徴収することによって,小作料を確保するのである。日本の刈分(かりわけ)小作もこれに属するが,ヨーロッパでは,16~19世紀のフランスのメテヤージュmétayage,イタリアのメッザドリーアmezzadriaなどがその代表的なものである。
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山川 世界史小辞典 改訂新版 「折半小作」の解説

折半小作(せっぱんこさく)

分益小作(ぶんえきこさく)

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世界大百科事典(旧版)内の折半小作の言及

【トスカナ[州]】より


【産業】
 産業としては,近年まで農業が中心であった。とくに丘陵地では穀物と果樹の混合耕作が行われ,メッザドリーアmezzadria(折半小作制)が普及していた。地主は多く都市に居住し,小作地の中心にある別荘に季節的に滞在して収穫作業を監督するというのがルネサンス以来の古い伝統であった。…

※「折半小作」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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