抗潰瘍・抗精神病剤(読み)コウカイヨウコウセイシンビョウザイ

病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版 「抗潰瘍・抗精神病剤」の解説

抗潰瘍・抗精神病剤

製品名
《スルピリド製剤》
アビリット(大日本住友製薬)
スルピリド(共和薬品工業、沢井製薬、武田テバ薬品、武田テバファーマ、武田薬品工業、辰巳化学、長生堂製薬、東和薬品ニプロ、日本ジェネリック、ファイザー、マイラン製薬)
ドグマチール(アステラス製薬)

 統合失調症うつ病などの治療に用いる向精神剤ですが、胃粘膜の血液循環をよくする、胃粘膜におこった障害を修復する、胃液分泌を促す胃酸ガストリンの分泌を抑えるといった作用があるので、消化性潰瘍かいよう十二指腸潰瘍)の治療にも用いられています。


 発疹ほっしん、かゆみなどの過敏症状、悪性症候群(無動、強い筋肉のこわばり、嚥下困難、頻脈発汗など)、心電図の異常(QT延長)、心室頻拍、肝機能障害、黄疸おうだんけいれん、遅発性ジスキネジア(口周辺の不随意運動)、肺塞栓症、深部静脈血栓症、無顆粒球症、白血球減少といった症状をおこすことがあります。こうした症状がおこったときは、使用を中止し、すぐ医師に報告してください。


 そのほか、月経異常、乳汁の分泌、男性の女性化乳房、胸やけ吐き気嘔吐おうと便秘、ほてり、ねむけ、めまい、ふらつき、だるさ、不眠パーキンソン症状手指の震えなど)、むくみなどをおこすことがあります。


錠剤カプセル、細粒がありますが、食後服用が原則です。ただし、1日あるいは1回の服用量・服用時間、服用期間については、医師・薬剤師の指示を守ってください。


 また、服用するときは、十分な水(コップ1杯の水)で飲んでください。


褐色細胞腫かっしょくさいぼうしゅ、プロラクチン分泌性の下垂体腫瘍のある人には使用できません。また、心臓病、腎臓じんぞう障害、血液疾患などの病気がある人、パーキンソン病、身体の疲弊した人などは、使用できないことがあります。その旨を医師に相談してください。


③小児、高齢者、妊婦、現在妊娠している可能性のある人、母乳で授乳している人、ジギタリス製剤強心剤〕やパーキンソン病治療剤、中枢神経抑制剤、ベンザミド系消化性潰瘍治療剤、フェノチアジン系製剤、ブチロフェノン系抗精神病剤などを服用中の人、QT延長のある人やおこしやすい人には、服用量を減量するなどの配慮が必要になるので、あらかじめ医師に報告してください。


④ねむけやめまいなどがおこることがあるので、この薬を使用中は自動車運転や危険を伴う作業は避けてください。


⑤アルコール飲料と併用すると薬の作用を増強するので、この薬を使用中は禁酒を守ってください。

出典 病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版病院でもらった薬がわかる 薬の手引き 電子改訂版について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android