承察度(読み)しょう・さっと

朝日日本歴史人物事典 「承察度」の解説

承察度

生年生没年不詳
古琉球三山時代の山南(南山)の王。承察度は「ウフサト(大里)」のあて字とされる。山南は島尻(添)大里を拠点に本島南部(島尻郡)を支配した。察度31(1380)年明に初入貢,以後武寧3(1398)年までに7回入貢。この間,明朝より海船の賜給があり,官生(国費留学生)も派遣している。進貢物に南方産の蘇木や胡椒などがみえ,東南アジア貿易との関連で注目される。『李朝実録』の太祖実録(1394,98年)に朝鮮に逃げた山南王子承察度のこと,同じく亡命した琉球国山南王温沙道の記事がある。この温沙道=ウフサト説があり,先の山南王子承察度本人とする説など不明な点が多い。<参考文献>嘉手納宗徳『琉球史の再考察』

(田名真之)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

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