扠首組み(読み)さすぐみ

世界大百科事典(旧版)内の扠首組みの言及

【民家】より


【日本】
民家は一般概念では庶民の住宅を意味する。しかし,民俗学や建築学の分野で使われる〈民家〉の概念はかなり限定されており,地域に密着した素材や技術を使って建設された庶民の住宅を意味する。したがって,江戸時代に支配階級であった武家の住宅でも,全国的な規範を重視した大名の居館は民家には含まれないが,庶民住宅とあまり違わない素材と技術を用いた下級武家の住宅は民家の範疇に含まれ,同様の意味で蔵や納屋,旅籠(はたご)など,庶民の生活にかかわりの深い建物も,民家の一部として取り扱う。…

【木造建築】より

…柱を多く用いる木造建築の小屋組みは,はじめは棟持柱の上に棟木が載る切妻型の建物が多かったが,壁の骨組みが発達するにつれ,内部空間の中央に柱がこない合掌の小屋組みが使いやすさの点で好まれるようになった。長方形の平面を軸組式または組積式の壁でかこみ,その上に太い垂木を斜めに交叉して架けるこの構造は,日本では扠首(さす)組みといわれ,近世以降の農家の寄棟屋根の基本的構造であった。同じ時期にヨーロッパで発達した合掌組みの技法は,トラスとして近代日本に輸入され,金物で節点を固める技術とともに日本建築の洋風化を推進した。…

※「扠首組み」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」