手間(読み)てま

精選版 日本国語大辞典 「手間」の意味・読み・例文・類語

て‐ま【手間】

〘名〙
① 手を使う仕事などで、その手を動かす動作のとぎれめ。また、その次の動作までの合い間。いとま。ひま。
貫之集(945頃)三「ほととぎす鳴くなる声をさ苗とるてまうちやすみ哀れとぞ聞く」
② 手を使う仕事のその手を休めるまでのあいだ。また、あることのために要する時間労力。→てま(手間)が掛かるてま(手間)が取れるてま(手間)を入れるてま(手間)を掛けるてま(手間)を取る
洒落本自惚鏡(1789)いろきゃく「八ツあたりをするてまで、いふ事があるならきっぱりいへ」
③ 「てまちん(手間賃)」の略。
※香取社造営物注文(1419)「拾五貫文 番匠百五十人手間分」
手間賃をもらってする仕事。手間仕事。また、その職人臨時雇いの手伝い。
歌舞伎梅柳若葉加賀染(1819)四立「手間(テマ)の衆、今日は川口から注文の来た」
⑤ 江戸時代、武家が抱えていた火消。〔随筆守貞漫稿(1837‐53)〕

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デジタル大辞泉 「手間」の意味・読み・例文・類語

て‐ま【手間】

そのことをするのに費やされる時間や労力。「手間を省く」「手間がかかる」
手間賃」の略。「手間を払う」
手間賃を取ってする仕事。手間仕事。また、その仕事をする人。「手間を雇う」
[類語]手数てすう手数てかず造作

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日本歴史地名大系 「手間」の解説

手間
てまのせき

「出雲国風土記」にみえるで、安田関やすだせきにあったとされる。同書に「通道。国の東の堺なる手間に通ふは四十一里一百八十歩なり」とある。この道は意宇おう郡家から同郡野城のき郷・舎人とね郷・屋代やしろ(この三郷はのち能義郡の成立に伴い同郡所属となる)を経て出雲・伯耆境に至る官道(山陰道)で、手間を越えると伯耆国である。「令義解」に「関は検判の処、塹柵の処」(原漢文)とあり、手間にも壕を掘り柵がめぐらされていたものとみられる。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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