手近(読み)テヂカ

デジタル大辞泉 「手近」の意味・読み・例文・類語

て‐ぢか【手近】

[名・形動]
手が届くほど近くにあること。すぐそばにあること。また、そのさま。「手近な(の)本を手に取る」「手近にある物で間に合わせる」⇔手遠
ありふれていて身近に感じられること。また、そのさま。「手近な問題」
[類語]手近い程近い近い間近い間近じきすぐ至近近く目前鼻先手が届く指呼しこ咫尺しせき目睫もくしょうかん目と鼻の先・ついそこ・身近卑近身辺そばかたわわき片方かたえ手もと付近近辺近傍近所最寄りもと足元座右左右手回り身の回りまのあたり目睫もくしょう面前目の前眼前現前目先鼻面はなづら鼻っつら前面正面真ん前手前先方直前

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「手近」の意味・読み・例文・類語

て‐ぢか【手近】

〘名〙 (形動)
① 手もとにすぐ近いこと。身近にあること。また、そのさま。かたわら。すぐそば。
浮世草子本朝二十不孝(1686)一「文太左衛門は手近なる鐘木町に忍び入て正月買と浮れ出し」
吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉九「夫には先づ手近から始めなくてはいかん」
② 身近であって、わかりやすいこと。身近なこととして、人々によく知られていること。簡単で便利なこと。また、そのさま。卑近。
※おとづれ(1897)〈国木田独歩〉下「詳はしき説明は宇都宮時雄の君に請ひ玉ふぞ手近(テヂカ)なる」

て‐ぢか・い【手近】

〘形口〙 てぢか・し 〘形ク〙 手もとに近い。すぐ近くである。また、人々によく知られている。簡単で便利である。〔文明本節用集(室町中)〕
※授業編(1783)一「柳の葉を編て文をしるせるなどは手近(テヂカ)き書にも見へて」
牛鍋(1910)〈森鴎外〉「手近い肉の一切れを挟んで口に入れた」
てぢか‐さ
〘名〙

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