手習(読み)てならい

精選版 日本国語大辞典 「手習」の意味・読み・例文・類語

て‐ならい ‥ならひ【手習】

[1] 〘名〙
文字を書くことを習うこと。習字
※村上御集(967頃)「まゐり給て、御手習に」
蜻蛉(974頃)下「ちひさき人には、てならひ、歌よみなどをしへ」
学問稽古
※わらんべ草(1660)一「家隆哥手習に、大方うたをよまんとおもはば」
[2] 「源氏物語」第五三帖の名。宇治十帖の第九。薫二七歳の三月から翌年の四月まで。宇治川に入水した浮舟横川僧都に助けられ、僧都の母尼と妹尼のもとに引きとられ、僧都に願って出家する。薫は浮舟の一周忌を行なうが、やがてその生存を知り、僧都と浮舟に会おうとする。

て‐なら・う ‥ならふ【手習】

〘自ハ四〙
① 文字を書くことを習う。習字をする。
古今(905‐914)仮名序「このふたうたは、うたのちちははのやうにてぞ、てならふ人の、はじめにもしける」
② 一般に、事のしかたを習う。けいこをする。
浮世草子日本永代蔵(1688)一「これより手習(テナラ)ふはじめ情文(なさけふみ)の取やりして」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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