手弱女(読み)たおやめ

精選版 日本国語大辞典 「手弱女」の意味・読み・例文・類語

たおや‐め たをや‥【手弱女】

〘名〙
① か弱い女。やさしい女。なよなよと美しい女。たわやめ。
書紀(720)神代上(兼方本訓)「如何(いかむ)婦人(タヲヤメ)(〈別訓〉たわやめ、めのこ)にして反りて言(こと)(さいた)つや」
婦系図(1907)〈泉鏡花〉後「死したる風も颯と涼しく、美女(タヲヤメ)たちの面を払って」
② うかれめ。あそびめ。たわれめ。遊女
※俳諧・大坂独吟集(1675)下「秋いろこのむ国はういたり たをやめとおどりかたびら恥さらし〈重安〉」

たわや‐め【手弱女】

〘名〙 (「手弱」はあて字。「たわむ(撓)」と同語源か) なよなよとした女。たおやかな女。たおやめ。
古事記(712)上「我が心清明き故に、我が生める子手弱女(たわやめ)を得つ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「手弱女」の意味・読み・例文・類語

たおや‐め〔たをや‐〕【手弱女】

たおやかな女性。なよなよと優美な女性。たわやめ。⇔益荒男ますらお
[類語]女性女子婦女婦女子おなごおみなあま女史婦人女人じょじん・にょにんウーマン

たわや‐め【手弱女】

《「たわや」は「たわ」に接尾語「や」の付いたもの。「手弱」は当て字》なよなよとした女性。たおやめ。
「―の思ひたわみてたもとほりあれはそ恋ふる舟梶ふねかぢをなみ」〈・九三五〉

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