手前味噌(読み)てまえみそ

精選版 日本国語大辞典 「手前味噌」の意味・読み・例文・類語

てまえ‐みそ てまへ‥【手前味噌】

〘名〙 自分で自分のことを誇ること。自慢手味噌
※滑稽本・大山道中膝栗毛(1832)初「『福七どふだ、狂歌はかくありたき物だの』『ムム手まいみそ。ひともじといふのだの。ろくでもねへ』」

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デジタル大辞泉 「手前味噌」の意味・読み・例文・類語

てまえ‐みそ〔てまへ‐〕【手前味×噌】

《自家製の味噌を独特の味があると自慢するから》自分で自分のことをほめること。自慢。「手前味噌を並べる」
[類語]うぬぼれおのぼれ自画自賛自賛自慢誇るうぬぼれるおのぼれる思い上がる誇らしい胸を張る肩身が広い鼻が高い鼻高高勝ち誇る驕る威張る威張り散らす付け上がる高ぶる反り返る振り回す鼻にかける増長慢心誇示おご誇り驕傲きょうごう矜持倨傲きょごう自負自負心自嘆自任自得天狗プライド高慢自尊自尊心気位きぐらい得意思い上がり唯我独尊我褒め身褒めのぼせるのぼせ上がる背負しょ

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世界大百科事典 第2版 「手前味噌」の意味・わかりやすい解説

てまえみそ【手前味噌】

歌舞伎役者自叙伝。3世中村仲蔵著。1855年(安政2)著者47歳のときに起筆され,晩年にいたるまで書き継がれる。書名は《二葉艸》《松春亭漫遊雑記》《聞取放問》などといったが,《歌舞伎新報誌上に公表するにあたり《手前味噌》と改題,523号(1885)から931号(1888)にかけて連載された。内容は,舞踊の家元志賀山家に生まれた著者の家系に始まり,1809年(文化6)の出生から,子役時代,旅芝居の経験など,73年著者65歳までの体験が平易な文章で語られている。

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