手判(読み)てはん

精選版 日本国語大辞典 「手判」の意味・読み・例文・類語

て‐はん【手判】

〘名〙
江戸時代、女の関所通行手形江戸から出かける女については特に厳重で、留守居の発行する証明書を必要とした。女手形
仮名草子東海道名所記(1659‐61頃)三「ここは関所なり。女には手判(テハン)のせんさくあり」
② 江戸時代、江戸城大奥や女院御所などに通ずる門の通行手形。
※武家厳制録‐一・女院御所御条目・寛永三年(1626)一〇月四日「若六すき候はば、譬手判ありといふとも、とほすべからざる事」
③ 本人が署名した契約書。
※吉川氏法度(1617)三四条「一 借物者、互之手判次第、可返弁之事」

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デジタル大辞泉 「手判」の意味・読み・例文・類語

て‐はん【手判】

手に墨を塗って紙に押したもの。後日証拠とする。また、自筆の書き判など。
江戸時代、関所の通行手形。特に、女手形をいう。

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