手を付ける(読み)てをつける

精選版 日本国語大辞典 「手を付ける」の意味・読み・例文・類語

て【手】 を 付(つ)ける

① ある事をしはじめる。着手する。また、かかわり合う。関係する。
※玉塵抄(1563)四五「世話に手をつけぬと云は碁からのことなり」
多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前「葉山は余りの様子に手(テ)を着(ツ)けかねて」
② 立場が下の女などと関係を結ぶ。
※雑俳・柳多留‐三二(1805)「手を附る時も手を切る時も金」
公金もしくは他人の金を着服する。使いこむ。
※藪の鶯(1888)〈三宅花圃〉四「公債証書ももってゐるけれど。姉さんが少しも手をつけんとサ」
歌詞に曲節をつける。
洒落本・五臓眼(1789‐1801)一「ありゃアたしか太考がつくって錦屋惣三が手をつけてよしはらででエぶはやったっけ」
料理などを食べ始める。
※微光(1910)〈正宗白鳥〉二「『お土産を開けようかしら。貴方食べたくない?』『折角買って来たのに手を付けちゃ悪いぢゃないか』」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「手を付ける」の意味・読み・例文・類語

・ける

着手する。仕事などを始める。「行政改革に―・ける」
使い始める。また特に、使い込む。「定期預金に―・ける」「公金に―・ける」
料理などを消費する。「刺身に―・ける」
目下女性などと関係をもつ。
[類語]着手手を染める始めるしだすやりだす掛かる取り掛かるしかかるしかける開始する幕開き開幕始まる踏み出すスタート出出し立ち上がり手始め皮切り口切り封切り起動始動発動幕がふたく・蓋を開けるしょ・ちょ端を発する口火を切る火蓋を切る幕を切って落とす狼煙のろしを上げる御輿みこしを上げる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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