所得介入(読み)しょとくかいにゅう(英語表記)income intervention

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「所得介入」の意味・わかりやすい解説

所得介入
しょとくかいにゅう
income intervention

経済メカニズムなかで厳密には不必要なサービスが社会制度,慣習などから不可欠なものとされ,そのサービスを提供する職業が成立し,その所得が増大して,経済各部門との釣合いがとれなくなり,経済全体としての効率を低下させること。 J.シュンペーターによって用いられた概念。彼はアメリカにおける弁護士業を代表的な例としてあげている。日本では都留重人金融機関の所得を所得介入の顕著な例としてあげた。すなわち金融機関の利子は本来資金の効率的配分のための計算単位のみで十分であるとの見地から,日本のように金融機関の所得が非常に大きいのは必要以上の所得介入が行われているためであると主張した。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android