所が(読み)ところが

精選版 日本国語大辞典 「所が」の意味・読み・例文・類語

ところ‐が【所が】

[1] 〘接助〙 完了の助動詞「た」の連体形をうけて、前の叙述を後の叙述に続ける。
① 確定的な関係を表わす。意味的には順接も逆接もあり、また単純接続もある。…が。…けれども。
※玉塵抄(1563)一七「蔡の者が呉元済にあいて難儀していた所か裴度が立て呉元済をたいぢしたことの喜しいことは」
福翁自伝(1899)〈福沢諭吉〉大阪修業「骨を本国に送り、先づ事は済んだ所が、私が千日から帰て三四日経つとひょいと煩ひ付た」
仮定の逆接条件を表わす。たとえ…であっても。
滑稽本浮世床(1813‐23)二「『どうしてどうして。おめへたちに此まねが出来るもんか』『出来た所がはじまらねへ』」
[2] 〘接続〙 先行事柄に含まれる予想や期待に反する事柄を述べるときに用いる。けれども。しかるに。
※滑稽本・素人狂言紋切形(1814)上「マ難なくお寺へはお出なすった。所がいかさま、七ツ時分にお寺はお帰りなすったげにござります」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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