戚(漢字)

普及版 字通 「戚(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 11画

[字音] セキ
[字訓] おの・まさかり・うれえる・したしむ

[説文解字]
[金文]

[字形] 形声
声符は(しゆく)。は戚(まさかり)の頭部の形に、刃光の下放するさまを加えたもの。に戈を加えて、戉戚の象とする。〔説文〕十二下に「戉(ゑつ)なり」とあり、鉞(まさかり)の意。〔詩、大雅、公劉〕「干戈(かんくわ)戚揚(せきやう)あり」の〔伝〕に、「戚は斧なり。揚は鉞(まさかり)なり」とあり、戚は楽舞に用いた。〔礼記、文王世子〕に「大樂正は、干戚(かんせき)をふこと~を學(をし)ふ」、また〔礼記、楽記〕「干戚旄(うばう)」、〔礼記、明堂位〕「朱干玉戚」など、干(たて)と戚とを以て武舞を舞う。〔左伝、昭十二年〕に圭玉を削って戚の(ひつ)(柄を装着するところ)とする話があり、戚は多く儀器として用いられた。

[訓義]
1. おの、まさかり、礼器として用いる。
2. と通じ、うれえる、おそれる、いきどおる。
3. したしむ、みうち、ちかずく。憂戚をともにする意であろう。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕戚 シタシ・チカシ・ウレヘ・イタム・シジム・チカヅク

[声系]
〔説文〕に戚声としてなど二字を収める。十下は「憂ふるなり」とあり、寂の意を承ける。寂の意は、(寂)がその初文である。

[熟語]
戚愛・戚意戚姻・戚家・戚顔・戚旧戚欣・戚戚眷戚嗟戚施戚咨・戚者戚戚・戚然戚疎戚促・戚速・戚族戚属戚藩戚貌戚容・戚揚・戚里
[下接語]
哀戚・姻戚・縁戚・遠戚・外戚・干戚・喜戚・貴戚・旧戚・休戚・近戚・勲戚・権戚・賢戚・婚戚・至戚・親戚・盛戚・宗戚・帝戚・内戚・悲戚・右戚

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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