戒定慧(読み)カイジョウエ

デジタル大辞泉 「戒定慧」の意味・読み・例文・類語

かい‐じょう‐え〔‐ヂヤウヱ〕【戒定×慧/戒定恵】

仏語。仏道修行に必要な三つの大切な事柄。悪を止める戒と、心の平静を得る定と、真実を悟る慧。三学
「―の三学を兼備して」〈太平記・八〉

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の戒定慧の言及

【禅】より

…禅は,広く古代インドに行われた,精神統一の技術であるヨーガの一段階より発達して,仏教でその智的側面を深め,独自の禅定思想を生むのである。仏典に説く,戒定慧の三学や,四禅八定の体系は,いずれも他のインド宗教がもつ禅の苦行や,神秘な昇天の側面を否定し,自覚的な悟りの方法となる。戒は身体と言葉の乱れを静め,定は心を調えて本来の自己に目覚める方法で,慧はその成果にほかならぬ。…

【仏教】より

…修行の基本は八正道で,そのあり方は中道と称されたが,具体的にはほかにも種々の徳目が挙げられ,それらを合わせて,三十七覚支(かくし),すなわち37種の菩提を得るための手段と呼ぶこともある。 またそれらをまとめると,戒・定・慧の三学におさまる。戒の基本は〈諸悪莫作,諸善奉行,自浄其意,是諸仏教〉(諸悪をなすな,諸善をなせ,自ら心をきよめよ,これは諸仏の教えである)と示されるとおりで,戒を守ることは入門の条件,修行の前提である。…

※「戒定慧」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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