我田引水(読み)がでんいんすい

精選版 日本国語大辞典 「我田引水」の意味・読み・例文・類語

がでん‐いんすい【我田引水】

〘名〙 (形動) (自分の田に水を引くの意から) 自分の利益になるように考えたり、したりすること。手前勝手。わが田に水を引く。
落紅(1899)〈内田魯庵〉三「斯んな事を申すと我田引水(ガデンインスヰ)に聞えて困りますが」

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デジタル大辞泉 「我田引水」の意味・読み・例文・類語

がでん‐いんすい【我田引水】

《自分の田に水を引く意から》物事を、自分に都合のいいように言ったりしたりすること。我が田へ水を引く。「我田引水の説」
[類語]強弁主張力説叫ぶ強調こじつけ牽強付会事寄せる

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四字熟語を知る辞典 「我田引水」の解説

我田引水

自分の田に水を引き入れるの意から、もっぱら自分の都合のよいように取りはからったり、物事を運んだりすることのたとえ。

[使用例] 愛知は大いに我田引水な油をかけた[長与善郎*竹沢先生と云ふ人|1924~25]

[使用例] 高沢はすべて呑みこんでいるといった風で、何故に色を連れて行くかその理由を説明して聞かせました。それは一理あるようでもあり、我田引水の説でもあるようでございました[井伏鱒二駅前旅館|1956~57]

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ことわざを知る辞典 「我田引水」の解説

我田引水

自分の都合の良いように物事を考えたり、したりすること。

[使用例] こんなことを申すと我田引水に聞こえて困りますが[内田魯庵*落紅|1899]

[解説] 江戸期の用例は「我が田へ水を引く」「我が田に水引く」などで、四字熟語形は見られず、また漢籍にも使用例は見当たりません。明治期になって江戸期のことわざを漢語読みに変えることで生み出された和製熟語と考えられます。

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