我(漢字)

普及版 字通 「我(漢字)」の読み・字形・画数・意味


常用漢字 7画

[字音]
[字訓] われ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 仮借
我は鋸刃(のこぎりば)の刃物の象形で、鋸の初文。義・羲は犠牲としての羊に我(鋸)を加える形。しかし我を鋸の義に用いることはなく、一人称代名詞に仮借して用いる。〔説文〕十二下に「身に施して自ら謂ふなり」と一人称とし、また「或いは(い)ふ、我頃、頓(つまづ)くなり。戈に從ひ、(すい)に從ふ。は或いはふ、古の垂の字なり」と字形を説き、さらに「一に曰く、古のの字なり」という。卜文・金文の字形は鋸の形で、仮借して一人称とする。鋸はその形声の字で、我の初義を留める字である。

[訓義]
1. われ、わが、おのれ。
2. わたくし、私意。
3. 俄と通じ、俄傾、かたむく。

[古辞書の訓]
名義抄〕我 イタツキ・カタヰ 〔字鏡集〕我 ワレ・ワガミ・イタツキ・カタヰ

[部首]
〔説文〕〔玉〕に、義をその部に属する。羲も羊と我とに従う字で、下部のは羊の下体が切り離されている形である。

[声系]
〔説文〕に我声として(餓)・俄・峨・など十三字を収める。我は鋸の形で、我声の字に俄傾・嵯峨の意を含むものがある。は鳴き声を写す語。

[語系]
一人称の代名詞に仮借する。我ngai、吾nga、ngangは声近く、みな代名詞に仮借する。予・余・台(い)・(よう)もまた一人称代名詞として一系をなす語である。

[熟語]
我儀・我見・我山我執・我生・我田我儂・我利我曹我輩
[下接語]
愛我・為我・畏我・誨我・貴我・棄我・毀我・啓我・軽我・個我・私我・自我・舎我・主我・小我・人我・推我・責我・全我・大我・適我・彼我・非我・撫我・物我・奉我・忘我没我無我・誉我・類我

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

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