なりた‐や【成田屋】
※歌舞伎・お染久松色読販(1813)
序幕「此しゃれを成田屋のに聞せたいね」
[2] 〘名〙
① ((一)が荒事を得意としたところから転じて) 江戸前の景気のよいこと。威勢のよいこと。
※洒落本・船頭部屋(19C初)鳥居町舟宿の套「見へにも一分二朱、三分三厘ひけはとらぬと一番成田屋(ナリタヤ)をいふ気になったが」
② ((一)の替え紋に三筋立の鯉があったところから) 鯉のこと。
※雑俳・柳多留‐一一五(1831)「成田屋を
御手に魚藍の立をやま」
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成田屋
歌舞伎役者の屋号のひとつ。市川団十郎、市川海老蔵などが使用。初代団十郎が成田不動を信仰したことにちなむ。
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成田屋【なりたや】
歌舞伎俳優市川團十郎とその一門の屋号。初世団十郎が成田不動尊を信仰したことによる。
→関連項目屋号
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デジタル大辞泉
「成田屋」の意味・読み・例文・類語
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世界大百科事典内の成田屋の言及
【市川団十郎】より
…姓は堀越。屋号は代々成田屋。定紋は三升(みます)。…
【新勝寺】より
…〈江戸にて開帳あるに何時にても参詣群聚するは善光寺の弥陀と清涼寺の釈迦仏また成田の不動などなり〉と《嬉遊笑覧》にあるように,これより江戸出開帳の三本指に数えられるほど人気を集めた。また歌舞伎役者市川団十郎は代々屋号を〈成田屋〉といい,初世以来当不動尊への信仰が厚く,不動尊霊験記の上演もあったから,その霊験は広く庶民の間に喧伝され,講の発達にともない各地よりの成田詣も年々盛んになっていった。とくに天保(1830‐44)以降,講社数は飛躍的に増加し,関東,東海,甲信地方へ広がっている。…
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