成恒名(読み)なりつねみよう

日本歴史地名大系 「成恒名」の解説

成恒名
なりつねみよう

中世の上毛こうげ郡から下毛しもげ郡にまたがる吉富よしとみ名内の名。現大字成恒を中心とする一帯に比定される。宝治三年(一二四九)三月二七日の将軍袖判下文(相良家文書/鎌倉遺文一〇)は、宝治合戦の勲功により相良長頼地頭職に補任されたことを当名の住人らに伝えている。長頼(蓮仏)子息頼俊に当名を譲渡した建長三年(一二五一)三月二二日の相良蓮仏譲状(同上)からは、宝治合戦以前の当名は「上津美介もつ(け脱)」が有していたことが判明する。上毛(上津美介)氏は上毛郡司田部氏で、成恒名は田部氏が徴税を請負った国衙領吉富名内にあり、成恒名主も田部氏であった(吉富町史)。正嘉元年(一二五七)九月一四日の将軍家政所下文(相良家文書/鎌倉遺文一一)では、相良頼俊(迎蓮)が亡父永頼(蓮仏)の譲状にまかせて当名地頭職などの安堵を受けている。弘安一〇年(一二八七)五月二日の相良迎蓮譲状(同文書/鎌倉遺文二一)によれば、成恒名地頭職のうち「ははの名屋敷一所」と水田二町一反半を又次郎頼季に、「末光の名やしき一所」と水田二町二丈を四郎頼里に、残りを女子宇葉伊路に譲渡している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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