戌(漢字)

普及版 字通 「戌(漢字)」の読み・字形・画数・意味


6画

[字音] ジュツ
[字訓] けずる・いぬ

[説文解字]
[甲骨文]
[金文]

[字形] 象形
戉(まさかり)の刃部を主とする形。〔説文十四下に「(ほろ)ぶるなり。九、陽气にして、物畢(ことごと)くり、陽下りて地に入るなり。五行、土は戊(ぼ)に生じ、戌にんなり。戊の一を含むに從ふ」という。のちの字形によって、五行説に附会したもので、卜文・金文の字形は斧鉞(ふえつ)の象。剝削に用いる器である。〔段注〕に「一は亦聲なり」とするが、声も合わず、卜文には一に従う字形はない。十二支の名に用いるものはすべて仮借。字の本義とは関係のない用法である。

[訓義]
1. まさかり、まさかりでけずる、けずりそこなう。
2. と通じ、あわれむ。
3. 十二支の一、いぬ。

[古辞書の訓]
〔字鏡集〕戌 イマシメ・イヌ・トドム・タスク・サイキル・コモル

[声系]
〔説文〕に十二支の例に従って戌を部首とするも、属の字はない。(歳)を戌声とし、またを会意として火部に属している。

[語系]
戌siut、(雪)siuatは声が近い。刷shoatもその声が近く、すすぐ意がある。戌の本義は明らかでないが、〔説文〕に「ぶるなり」とする訓によって考えると、呪器としての戉(鉞(まさかり))によって、汚穢を雪ぎ祓う意であろうと思われる。

[熟語]
戌月戌削戌時戌臘

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android