懸命(読み)けんめい

精選版 日本国語大辞典 「懸命」の意味・読み・例文・類語

けん‐めい【懸命】

〘名〙
① 命をつなぐこと。生き長らえること。また、命をかけること。〔文明本節用集(室町中)〕
鎌倉大草紙(16C中か)「千貫の地を懸命のために給はりける」
② (形動) 命がけのような勢い物事をすること。必死にがんばるさま。
※旧習一新(1875)〈増山守正〉下「懸命浮沈の大戦に一も奇怪の法を施したる事なきと」
八十八夜(1939)〈太宰治〉「妻と子のために〈略〉ただ懸命に書いて、お金をもらって」 〔後漢書‐陳亀伝〕
[語誌]多く「(一所)懸命の地(土地・所領知行)」の形で見え、「懸命」と「土地」の固定的連想があったことを思わせる。→「いっしょけんめい(一所懸命)」「いっしょうけんめい(一生懸命)」の語誌

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「懸命」の意味・読み・例文・類語

けん‐めい【懸命】

[形動][文][ナリ]力のかぎり努めるさま。全力をつくすさま。精一杯。「懸命努力」「懸命にこらえる」「一生懸命
[派生]けんめいさ[名]
[類語]命懸け必死死に物狂い捨て身大わらわ躍起決死不惜身命ふしゃくしんみょう大車輪八面六臂一所懸命一生懸命全力総力死力渾身入魂全身全霊

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

普及版 字通 「懸命」の読み・字形・画数・意味

【懸命】けんめい

命をかける。〔後漢書、陳亀伝〕今西州は邊鄙~男は稼の利寡(すく)なく、女は杼の饒に乏し。塞を守りて候し、命を鋒(ほうてき)に懸く。

字通「懸」の項目を見る

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

脂質異常症治療薬

血液中の脂質(トリグリセリド、コレステロールなど)濃度が基準値の範囲内にない状態(脂質異常症)に対し用いられる薬剤。スタチン(HMG-CoA還元酵素阻害薬)、PCSK9阻害薬、MTP阻害薬、レジン(陰...

脂質異常症治療薬の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android