懐中（読み）カイチュウ

デジタル大辞泉

かい‐ちゅう〔クワイ‐〕【懐中】

［名］(スル)
１ ふところ、またはポケットの中。また、そこに入れて持っていること。
「山道の往来に論語を―して」〈蘆花・思出の記〉
２ 「懐中物」の略。
３ （接頭語的に用いる）携帯用の小型の物。「懐中電灯」「懐中本」

出典　小学館

精選版 日本国語大辞典

かい‐ちゅう クヮイ‥【懐中】

〘名〙

① ふところやポケットの中。

※凌雲集（814）神泉苑花宴賦落花篇〈嵯峨天皇〉「点珠顔綴駘吹、入懐中、嬌態閑」

※古今著聞集（1254）四「大臣、御製をとりて懐中に入たまひけり」

② (━する) ふところやポケットに入れること。

※平治（1220頃か）下「ほそき所を盛安になげ給ひしを、取りて懐中するとみて」

③ 「かいちゅうもの（懐中物）」の略。

※安愚楽鍋（1871‐72）〈仮名垣魯文〉三「彼奴(きゃつ)の懐(クヮイ)中をお為ごかしで御用心であづかりおいた中から」

出典　精選版 日本国語大辞典

普及版 字通

【懐中】かい（くわい）ちゆう

ふところの中。〔史記、鵲伝〕長桑君～與(とも)に語りて曰く、我に禁方り。年老いたり。に傳與せんと欲す。、泄(もら)すこと毋(なか)れと。～乃ち其の懷中のを出して、鵲(へんじやく)に予(あた)ふ。

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出典　平凡社「普及版 字通」