憲法制定交渉[日米](読み)けんぽうせいていこうしょう[にちべい]

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「憲法制定交渉[日米]」の意味・わかりやすい解説

憲法制定交渉[日米]
けんぽうせいていこうしょう[にちべい]

1945年 10月から翌年3月にいたる日本国憲法制定に関する GHQ (→連合国総司令部 ) と日本政府の交渉。 45年 10月4日,連合国最高司令官 D.マッカーサー元帥はワシントン D.C.からの発意に従い東久邇内閣の国務相近衛文麿に新憲法制定を示唆し,近衛は憲法改正の作業を進めたが,日本国内における反近衛の動きを察した GHQは近衛を支持せずと声明した。代った幣原喜重郎内閣は松本烝治国務相を長とする憲法問題調査委員会を設置,憲法改正要綱 (松本案) を 46年2月8日に提出したが,アメリカの同意を得られなかった。 GHQ民政局はマッカーサーの指示のもとに極秘で新憲法草案 (マッカーサー案) を完成させ,2月 13日,松本案を正式に拒否したのち,マッカーサー案を日本側に手渡した。日本側は 22日,草案の受諾を決定,そののち日米双方で検討し,3月6日,憲法改正草案要綱として内容が日本政府から発表された。枢密院の審議を経て帝国議会に提出されたのは6月 20日であり,3ヵ月余の吟味を受けて,10月7日衆議院で日本国憲法が成立した。

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