憂い(読み)ウレイ

デジタル大辞泉 「憂い」の意味・読み・例文・類語

うれい〔うれひ〕【憂い/愁い/患い】

《「うれえ」の音変化》
予測される悪い事態に対する心配・気づかい。うれえ。「後顧の―」
嘆き悲しむこと。憂鬱ゆううつで心が晴れないこと。うれえ。「―に沈んだ顔」
[補説]ふつう1は「憂い」、2は「愁い」と書く。また、中世以降「うれえ」に代わって「うれい」の語形が多く用いられるようになり、現在は「うれい」が一般的。
[類語]考え事思案物思い考え心配気疲れ気苦労心痛心労懸念恐れ憂慮取り越し苦労杞憂悲観恐れる不安危惧きぐ危懼きく疑懼ぎく胸騒ぎ気がかり心がかり不安心心細い心許こころもとない気遣いわずら怖い危なっかしい頼り無いおののく動揺心騒ぎ煩慮憂惧ゆうぐ憂懼ゆうく憂い事気遣わしい痛心鬼胎ひやひやはらはらどきどきおどおどあぶなあぶな恐る恐るこわごわおっかなびっくりおじおじおずおずびくびくこわがる臆するおびえるびくつくおじるおじける恐怖恐れをなす悪びれる案ずる気が気でないそぞろ足が地につかない気が揉める居ても立ってもいられない矢も楯もたまらない居たたまれない生きた心地もしない気になる気に病むおぼつかない

う・い【憂い】

[形][文]う・し[ク]
自分の思うようにならないで、つらい。苦しい。「―・いもつらいもうての上」
ある状態をいとわしく、不愉快に思うさま。わずらわしい。気が進まない。
古代の親は、宮仕へ人はいと―・き事なりと思ひて過ぐさする」〈更級
つれない。冷たい。
「―・かりける人こそあらめあかつきの雲さへ峰になど別るらん」〈風雅・恋二〉
悩ましい。せつない。心苦しい。
有明のつれなく見えし別れより暁ばかり―・きものはなし」〈古今・恋三〉
動詞の連用形に付いて、…するのがつらい、…するのがいやだ、などの意を添える。
「ここをまた我住み―・くてうかれなば松はひとりにならむとすらむ」〈山家集・下〉
[派生]うさ[名]
[類語]びんびん切切せつせつ痛切切実深刻ひしひしつくづくしみじみじいん心からせつ辛い苦しい耐えがたいしんどい苦痛である切ないやりきれないたまらないる瀬ない悲しい物悲しいうら悲しい痛ましい哀れ哀切悲愴ひそう悲痛悲傷沈痛もの憂い断腸の思い胸を痛める胸が痛む胸が塞がる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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