慈母(読み)じぼ

精選版 日本国語大辞典 「慈母」の意味・読み・例文・類語

じ‐ぼ【慈母】

〘名〙
愛情の深い母親悲母。また、母を尊敬、親愛していう語。
※凌雲集(814)奉和聖製春女怨〈小野岑守〉「慈母教喩遂相泣、伴儔戯慰還共傷」
浄瑠璃烏帽子折(1690頃)道行「慈母のあはれみ、孝子の振舞」 〔孟子‐序〕
② 母にかわって子を育てる女性。やしない親。保母養母
政談(1727頃)四「慈母と言て、無子女を母分にする事は有る事也」 〔礼記‐曾子問〕

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デジタル大辞泉 「慈母」の意味・読み・例文・類語

じ‐ぼ【慈母】

いつくしみ深い母親。また、母親を敬愛していう語。
[類語]賢母聖母母親女親おんなおやかあさんお母さまおっかあお袋母じゃ人母じゃ阿母あぼママ

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普及版 字通 「慈母」の読み・字形・画数・意味

【慈母】じぼ

やさしい母。唐・孟郊〔遊子吟〕詩 母、手中の線(針) 子、身上の衣

字通「慈」の項目を見る

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世界大百科事典(旧版)内の慈母の言及

【親族名称】より

…宗族は秩序の体系を持っており,人々はその中で一定の地位を占め,そのことから身分関係や国家の法との関係を規制され,各人は親族名称,すなわち〈名〉に応じた行動規準を持たねばならない。全体は図4を参考に供するとして,たとえば〈はは〉についてみると,生みの母を〈親母〉,めかけの子は父の正妻を呼んで〈嫡母〉,前妻の子は後妻を呼んで〈継母〉,めかけの子がその生みの母を失い,他のめかけが養育するとそのめかけを〈慈母〉,養子は養い親の妻を〈養母〉,離婚された親母を〈出母〉,寡婦たる親母で他人に嫁いだものを〈嫁母〉,父のめかけで子あるものを他の子は〈庶母〉,父のめかけで己に乳を与えたものを〈乳母〉という。親母を除いてこれらを〈八母〉というが,それぞれに礼制上,服喪の期間などが細かく段階的に定められていることはもちろん,律の上でも一定の扱いがある。…

※「慈母」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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