慈善(読み)じぜん

精選版 日本国語大辞典 「慈善」の意味・読み・例文・類語

じ‐ぜん【慈善】

〘名〙
① (形動) 慈愛気持をもってあわれむこと。なさけをかけること。また、そのさま。
※辺鄙以知吾(1754)「宿昔の菩提慈善の志は忘れ果て」
小学読本(1873)〈田中義廉〉二「殺生を、誡むるは、慈善の人と、なるべき道にして」
② 特に、生活困窮者災害にあって困っている者を助けること。
西国立志編(1870‐71)〈中村正直訳〉九「これを慈善の事に用ひなば、その一生の間多く果実を生ずべく」

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デジタル大辞泉 「慈善」の意味・読み・例文・類語

じ‐ぜん【慈善】

情けや哀れみをかけること。特に、恵まれない人々や被害にあった人々に経済的な援助をすること。「慈善を施す」「慈善家」
[類語]救援救助救難救急救命救済救世救国救民済民済世助けるボランタリー自発的公共心公徳心犠牲犠牲的サービス献身献身的ささげる挺身ていしん捨て石利他利他心志願篤志有志殉ずるボランティア奉仕奉公寄与貢献裨益ひえき尽力尽くす骨身を惜しまず粉骨砕身身をにする身を削る骨身を削る命をささげるケアアフターケア篤志家

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普及版 字通 「慈善」の読み・字形・画数・意味

【慈善】じぜん

なさけ深く、善良。〔北史、崔光伝〕光、善にして、物に忤(さか)らはず。、自得するのみ。~故(ことさら)に氣を爲すは、重んぜざるなり。

字通「慈」の項目を見る

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朝日日本歴史人物事典 「慈善」の解説

慈善

没年:没年不詳(没年不詳)
生年:文治3(1187)
鎌倉時代律宗の尼。法華寺中興第1世長老。春華門院新右衛門督という春華門院の女房であったが,建暦1(1211)年の春華門院の死後出家し,遅くとも寛元1(1243)年には法華寺に入っている。西大寺叡尊の弟子となり,法華寺を西大寺流律宗の尼寺として復興した。9月4日に没したが,その没年はわかっていない。<参考文献>細川涼一『中世の律宗寺院と民衆

(細川涼一)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の慈善の言及

【愛】より

… ギリシア語〈agapē(愛)〉は,動詞〈agapaō(好意をもつ・愛情をもつ・好む・満足する)〉から,比較的おそく造られた語で,〈性愛〉であることはまれだったので,新約の用語として採用された。 ラテン語〈caritas(愛・愛情)〉は,形容詞〈carus(イタリア語・スペイン語caro,フランス語cher,親愛なる)〉に由来し,ギリシア語〈agapē〉の訳語とされて,キリスト教的〈愛〉を指すようになり,さらに,〈愛〉にもとづく〈慈善〉の意をもつようになった(カリタス)。英語〈charity〉の語源でもあるこの語が,サンスクリット語〈kāma(欲求・愛欲)〉と同根であるらしいのは,いかに語の意味内容が移ろいやすいかということのよい見本である。…

【慈善事業】より

…慈善あるいはそのいくぶんとも組織的な形態を意味する慈善事業は,宗教的・感情的動機に基づく善行であり,貧民の救済や病人に対する施療などをその内容とする。慈善はユダヤ教,キリスト教においても,また仏教においても重要な実践徳目の一つとして位置づけられてきた。…

【友愛】より

…そこでは,神を愛するがゆえに隣人をも愛し,汝の敵をも愛するという,人種や階級や性別を超えた人間相互の兄弟愛(隣人愛)としての友愛の観念が生まれた。それは,単なる観念にとどまらず,〈慈善〉の行為として制度化され,信者の相互扶助からさらに富者の貧者への慈善的扶助が来世の応報とも結合して精神的義務とされ,教会が慈善病院や学校,修道院などの建設への拠金を奨励することにもなった。そして,アッシジのフランチェスコにみられるように,自己犠牲と無償の愛,さらには貧しさそのものの精神的価値を強調するまでになり,慈善を通ずる人間の兄弟愛としての友愛は倫理的観念として広く浸透した。…

※「慈善」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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