悶着・捫着(読み)もんちゃく

精選版 日本国語大辞典 「悶着・捫着」の意味・読み・例文・類語

もん‐ちゃく【悶着・捫着】

〘名〙 (「もんぢゃく」とも)
① (━する) 手でひねくり回すこと。
日葡辞書(1603‐04)「Mongiacu(モンヂャク)モミ、ツク。すなわち、モノヲ イロイロニ トリアツカウ」
② (━する) 互いの意見や感情などが乱れもつれて争うこと。また、その争いごと。もめごと。いさかい。
応仁記(15C後)一「先畠山の家を進退、又武衛家を捫著す」
明暗(1916)〈夏目漱石〉一一三「お秀との悶着(モンチャク)が」
③ (━する) どうしたらよいかわからず、あわてたり、いらだったりすること。また、そういう心の状態。
※日葡辞書(1603‐04)「ミヲ mongiacu(モンヂャク) スル」
浄瑠璃・生写朝顔話(1832)岡崎の段「気もいらいらとせき助が、何からせんと心のもんちゃく」
④ 一つのことに執着して様々に関わり続けること。一つのことをあれこれと考えること。
※玉塵抄(1563)二「よいもあしいも打かえしひっくりかえし、つづいてもんぢゃくむぐうにすれば一になるぞ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

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