悲しき玩具(読み)カナシキガング

デジタル大辞泉 「悲しき玩具」の意味・読み・例文・類語

かなしきがんぐ〔かなしきグワング〕【悲しき玩具】

石川啄木いしかわたくぼくの第2歌集。明治45年(1912)刊。晩年の194首と歌論2編を収める。

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精選版 日本国語大辞典 「悲しき玩具」の意味・読み・例文・類語

かなしきがんぐ かなしきグヮング【悲しき玩具】

歌集。石川啄木作。明治四五年(一九一二)刊。著者の第二歌集で晩年の一九四首が収められており、重く苦しい生活と思想が詠われている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「悲しき玩具」の意味・わかりやすい解説

悲しき玩具
かなしきがんぐ

石川啄木(たくぼく)の第二歌集。1912年(明治45)東雲堂書店刊。書名は友人の土岐哀果(ときあいか)(善麿(ぜんまろ))が命名。内容は東京時代の作品194首が三行書きで収められ、ほかに「一利己主義者と友人との対話」「歌のいろいろ」の歌論を収録。代表作には「新しき明日(あす)の来るを信ずといふ/自分の言葉に/嘘(うそ)はなけれど――」など、時代に先駆けした文学者のおもかげを伝えるものや、「胸いたみ、/春の霙(みぞれ)の降る日なり。/薬に噎(む)せて、伏して眼(め)をとづ。」など、啄木最終期の生活を直截(ちょくせつ)に表現したものが多い。夭折(ようせつ)した天才の灰色の生活と思想の記録として短歌史上不朽の生命をもち、その生活に即した独自の歌風は大正以後歌壇に影響を与えた。

岩城之徳

『『一握の砂・悲しき玩具』(講談社文庫・新潮文庫)』

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百科事典マイペディア 「悲しき玩具」の意味・わかりやすい解説

悲しき玩具【かなしきがんぐ】

石川啄木の第2歌集。1912年,没後刊行。《一握の砂》以後の194首と歌論2編を収める。1首3行書き。平易な言葉で,閉ざされた時代に生きるものの切迫した生活感情を歌いあげ,明治末期の詩的精神を代表する作。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「悲しき玩具」の意味・わかりやすい解説

悲しき玩具
かなしきがんぐ

石川啄木の第2歌集。 1912年刊。生活苦にあえぐ青春哀歓を清新なうたいくちに乗せ,短歌史上不朽の作品集となる。

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