精選版 日本国語大辞典 「悪怯」の意味・読み・例文・類語
わる‐び・れる【悪怯】
① 強い者の前で、恐ろしさのために気後れする。臆病な態度をとる。臆する。わろびれる。
② 悪者として捕らえられた人が、おどおどしたり、恥ずかしそうにしたりする。卑屈な態度をとる。わるぶ。わろびれる。
③ 劣った者、身なりのみすぼらしい者、とされる人が、それを気にしてこそこそする。気後れする。わろびれる。
④ 自分の苦痛などを表にあらわす。つらがる。苦しがる。
⑤ 別れなければならない人について未練がましくふるまう。
※三河物語(1626頃)三「ねんし原に女房・子共五人、はり付にかけておく処を、彌四郎を引とおして、やりすごして見せければ、殊之外にわるびれて見ゑけるが」
⑥ 人前などで恥ずかしそうにする。
⑦ 気後れがしておどおどする。恐縮する。
※手は汚れない(1961)〈久能啓二〉三「平然として怜子との関係を認めたよ。恥かしがりも悪びれもしないんだ」
わろ‐び・れる【悪怯】
〘自ラ下一〙 わろび・る 〘自ラ下二〙
① =わるびれる(悪怯)①
※保元(1220頃か)下「かやうに随分の勇士共も、わろびれてすすみえず」
② =わるびれる(悪怯)②
※平家(13C前)二「西光もとよりすぐれたる大剛の者なりければ、ちとも色も変ぜず、わろびれたるけいきもなし」
③ =わるびれる(悪怯)③
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報