悪口学校(読み)ワルクチガッコウ(英語表記)The School for Scandal

デジタル大辞泉 「悪口学校」の意味・読み・例文・類語

わるくちがっこう〔わるくちガクカウ〕【悪口学校】

《原題The School for Scandalシェリダン戯曲。1777年の作。社交界偽善を風刺した喜劇

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「悪口学校」の意味・わかりやすい解説

悪口学校
わるくちがっこう
The School for Scandal

イギリス劇作家シェリダンの五幕喜劇。1777年の初演の大好評以来、今日まで上演してまず外れたことがない。偽善家の兄と道楽者だが根は正直でやさしい弟を中心に、兄が、ある金持ちの老人の若妻と被後見人の娘の両方に恋を打ち明けるが、結局正体が暴露されて、弟とその娘が結ばれる。筋立てこそ感傷喜劇に近いが、機知に富んだ会話や鋭い風刺によって、むしろ風習喜劇を思わせる作品で、18世紀イギリス演劇を代表する傑作である。

[中野里皓史]

『菅泰男訳『悪口学校』(岩波文庫)』

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「悪口学校」の意味・わかりやすい解説

悪口学校
わるくちがっこう
The School for Scandal

イギリスの劇作家 R.B.シェリダンの喜劇。 1777年初演。イギリス風習喜劇の傑作とされる。偽善者の青年ジョーゼフと放蕩者だが根は善良なチャールズのサーフェス兄弟と,老人と若い妻という組合せのティーズル夫妻を中心に物語は展開する。ジョーゼフはチャールズの恋人をねらう一方,ティーズル夫人をも誘惑するが,正体が露見して双方を失い,チャールズはインド帰りの金持の叔父に善良さを認められ,恋人と結ばれる。作者はこれらの人物の周囲に社交界の悪口屋たちを配し,軽薄な風俗を風刺している。演劇史的には,18世紀後半の感傷喜劇の流行を批判した作品といえる。

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