悪さ(読み)わるさ

精選版 日本国語大辞典 「悪さ」の意味・読み・例文・類語

わる‐さ【悪さ】

〘名〙 (形容詞「わるい」の語幹接尾語「さ」の付いたもの)
① 悪いこと。悪い状態。また、その度合。わろさ。
※却癈忘記(1235)下「六道の外に法師道はあるなり。われは法師道におちて、苦をうくる也。法師のわるさ、こはいかがすべかるらむと云々」
※二人女房(1891‐92)〈尾崎紅葉〉下「毛孔から汗がたらたらたらと浸出す気の不快(ワル)さ」
いたずら。悪いたわむれ。悪戯。わろさ。
※江湖集鈔(1561)三「第六意識をよく防ぐこと城を守るが如し意識がわるさをするほどに防ぐぞ」
※浮世草子・日本永代蔵(1688)四「悪(ワル)さする子共」
③ 悪質な行為。悪事。また、不品行。わろさ。
※談義本・銭湯新話(1754)二「あれもかふした悪(ワル)さをした、此やふな徒(いたづら)めされたと傍から悪く云さかすを」
博奕などのよくない遊び。
落語・お祭佐七(1890)〈禽語楼小さん〉「今若い者(ら)は、博奕に夢中に成ってガラガラッポンと賭博(ワルサ)をして居ると」
仮名草子・悔草(1647)上「我子のわるさ成(なる)を、弁(わきま)へさりし後悔

わろ‐さ【悪さ】

〘名〙 (形容詞「わろい」の語幹に接尾語「さ」の付いたもの)
蜻蛉(974頃)下「これ、かうよろしかめり、きもならはぬがわろさよ」
俳諧新撰犬筑波集(1532頃)雑「わろさする頭につちをあてがひて ねごろほうしの坊のむねあげ」
合巻・教草女房形気(1846‐68)三「綸子屋の娘、店の若い者と淫(ワロ)さして」

あし‐さ【悪さ】

〘名〙 (形容詞「あし」の語幹に接尾語「さ」の付いたもの) 悪い度合、程度
書紀(720)推古一二年四月(岩崎本訓)「其れ善(よさ)(あしサ)成敗(なりならぬこと)、要(かなら)ず信に在り」
※枕(10C終)二三「さらにただ、手のあしさよさ、歌のをりにあはざらんも知らじ」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

デジタル大辞泉 「悪さ」の意味・読み・例文・類語

わる‐さ【悪さ】

悪いこと。悪い状態。また、その度合い。「歯切れ悪さ
いたずら。悪ふざけ。「子供相手に悪さをする」「悪さを覚える」
いたずらっ子。わんぱくな子供。
「お師匠様でござりますか。―をお頼み申します」〈浄・手習鑑
[類語]いたずら悪ふざけ

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

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